無音の夜/
ひだかたけし
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る
「寂しいのか」と尋ねると
鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる
と、
足許でカタカタ鳴り響く骨壺
不意に亀裂走らせ粉々に
沈黙のうちに
破片呑み込まれ
流砂となりさらさらと
既に跡形もなく消え去って
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