表現と表現者の領域 −詩人たちの末裔 ?/アラガイs
い機動隊員が駆けつけていたのだろう。道路は塞がれ、渋滞にバスや電車は立ち止まり、中心街の交通機関は麻痺していた。街は完全に彼らに掌握されていたのだ。そんな状況の話しから入り、居酒屋という空間で二人の演技者は場面を展開していった、と思うのだが…
男の名は栗原といい、なんでも通信社の特派員としてベトナムに派遣されていたのだという。そのことを酒に交えながら二人の会話は盛り上がっていった。と書いておこう。
(…あのね、ベトナム戦争、あのときはよくやられた、っていうんですよ。知り合いの元軍人が…… )。それは? ( なんでもね、怪我をしたベトナム人の子供を助けてやろうと近づけば、いきなり手榴弾を手に
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