退屈の起源/六九郎
我々の抱える退屈はどこから来たのか
今日はそれをみんなと一緒に考えてみよう
ん?もう退屈?
はは、すまないね
でもそれこそ、退屈の正体だよね
そうやってじっと座って私の話を聞かされる
他のことはできない
そりゃ退屈だ
みなさんの意識の流れを私がせき止めちゃってる訳だからね
本来は小川のようにさらさらと自由に流れるべきみんなの意識をね
好きなところをほっつき歩いて
好きなものを眺めて
好きなにおいをかいで
日なたぼっこして
時には獲物を追いかける
そう、まるでネコ
たぶんネコは退屈を知らない
今日は粘土をいじって
明日は果実を探して
その次は罠を
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