時間が/
こたきひろし
時間がやって来て通り過ぎていく
その絶え間ない繰り返し
川にたとえられる筈だな
その川の水面に筏浮かべて
放心してた
筏を組んだ木は
川原に打ち上げられて干からびてたもの
水を得た魚みたいに
息を吹き返した
何処へ行こう
何処へ帰ろう
筏は意思を持たない
櫓を漕いで
向こう岸に渡ろう
向こう岸の先は
切り立つ
岩肌
山鳥がないて
風が哭き出した
時間がやって来て
通り過ぎていく
わたしはいったい
何ものか
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