詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
その個数は、確実に時代とともに減少していくことだろう。しかし、無数のものから無数のものを引いても無数になることがあるように、無数であるという状態自体は変わらないであろう。といったことを考えたのであるが、無数というのもまた、数ではなく、状態を表す概念なのであった。紫 式部の『源氏物語』の「竹河」のなかに、「無情も情である。」といった言葉があったのだが、無数という概念は、数の概念のうちに入るものではなかったのであった。非数というものの概念が、数の概念のうちに入るものではなかったように。非数という概念について、10月22日は考えていた。おもしろかった。非数を考えることによって、数自体についての考え方も変
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)