詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
するのである。つまり、数と数のあいだには、数ではないものが存在するのである。それを指摘し、それに名前を与えた者はまだいない。ぼくが名づけよう。数と数のあいだの空席を占めるものを「非数」と。ところで、この非数であるが、これは数ではないので個数を数えられるものではない。数に対応させて考えることができるものならば、数ではなくても、個数を数えることができるのだが、この非数は、たとえば、集合論で用いられる空集合Φのように、あるいは、確率論で用いられる空事象Φのように、いくつのΦとかと言ってやることができないものなのである。したがって、たとえば、1という数と2という数のあいだの非数の個数と、1という数と100
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