詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
子と思われていたものが
じつは金魚だったのである。
自由金魚は、金魚鉢たる金属結晶格子の合間を通り抜け
いわば、金属全体を金魚鉢とみなして
まるで金魚すくいの網を逃れるようにして
ひょいひょいと泳いでいたのである。
電子密度は、これからは金魚密度と呼ばれることにもなり
物理化学の教科書や参考書がよりカラフルなものになると予想されている。

ベンゼン環の上下にも、金魚がくるくる廻ってるのね。
単純なモデルだとね。
すべて金魚雲の金魚密度なんだけど。


二〇一五年十三月二十一日 「絵本 「トンでもない!」 到着しました。」


一乗寺商店街に
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