詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
しさにはっとした。こんな瞬間の美しさを作品に定着できたらいいなと思った。いらないものの美しさ。


二〇一五年十三月四日 「隣の数」


 2015年10月22日のメモを、これから打ち込んでいく。BGMはナイアガラ・トライアングル1。メモにタイトルをつけてた。めずらしい。「隣の数」整数ならば、隣の数といえば、たとえば、2の隣の数は1と3である。ところが連続した実数においては、2の隣の数というのは存在しない。ある実数を2にもっとも近い数であると仮定しても、その数と2の間の数を無限に分割できるので(分割する数を0以外の実数とする)さきに2にもっとも近い数であると仮定した数よりもさらに2に近
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