ひろいもの/おとしもの/朧月夜
 
空へと、自ら這い上っていかなくてはならない。自由と混沌とは異なるものだが、さてそれを私たちはどう表現すれば良いのだろう。──表現、出来るのだろうか? 合同や相似ではない二つの自由がある。そこに一度きりの自由しかないのだとしたら、自由などは捨ててしまったほうがよほど人間らしい。自由を行使することも支えることも、同じように坂道を転がりおちていくようなものだろう。原点だけがヒトであり、自由とは混沌の謂いであるような……もう一つの自由。自由の柱を支えるということが容易ではないと分かったとき、人はそこに自身の重みを支えるための添え木があることに気づくだろう。そして本当の自由には、それを選び出す時にもまた添え木が据えられている。私たち自身がそれである自由を支えるための。……自由の選好と自由の維持とは、実は同じように重い。」

 自由に似た獣。自由に似た鳥。自由は鳥に似ている? 自由は神に似ている? 自由は神? 神は白紙に似ている──それはまっさらな無垢。今時こんな物を書きつけて行く狂人がいるなんて……。
戻る   Point(0)