ひろいもの/おとしもの/朧月夜
 
 ……けだもの、というか、透明な鳥めいた幻がこんな物を落としていったの。

「自由を選び取ることにそれほどの困難は伴わない。それは緩やかな坂道を登っていくようなもの。腰を下ろしたいところで腰を下ろせば良い。そこがあなたにとっての自由になる。自由を行使することは、それよりもずっと容易い。自由を使うという事は、坂道をころがり落ちてゆくようなもの。そこには……楽しみもなければ快楽もない。そこには……ただ、獣(けもの)のような息吹があるだけだ。自由の柱をまっすぐに立ち直らせることには、そこにこそ私たちの本当の困難が立ちはだかっている。そしてその困難こそが自由の本質だ。私たちは自由に飛ぶための空へ
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