分岐器/
道草次郎
今日ごみの分別作業中
精液のはいったコンドームが破れて
分離した水分が飛び
まつ毛にくさった滴がついた
そのうち
誰かが屍体の口をこじ開け
金歯をペンチで引き抜く時代が来るだろう
そんな風に
きっとまたなる
くさった微笑をはりつけたまま
揺すぶられる鍍金の列車
黒煙をちらし
地獄へまっしぐら
分岐器はこわれた
分岐器はとうにこわれた
のだった
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