蝙蝠と檸檬/草野大悟2
 
とうめいの骨の
おくのおくの ずっと おくのおく、から 
虹をかみくだくおと、が
きこえる。

(八方美人!
(恥知らず!

てんし、と
あくま、を
はらんだ夜が
鎌首をもたげるとき、
蝙蝠は
そしらぬ顔して
危うい檸檬を
置く。

……耳のいたくなる静寂

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