フラミンゴ酒/ただのみきや
 

瞳は風の中の銀を量る






素描の情欲

苦痛と共に記憶を脱ぎ去って
白樺は見る わたしの瞳の中
顕わな自己像を

光を摘む手が水をさまよう
大気が産気づいていた

錐のように閉じて迷い見る潮騒
誰かの愛人を後ろから抱きしめるように
朝をクシャクシャに丸めて

空を刺すあの爪先まで白い脚へ
渡って行く カルタをならべて



              《2021年3月27日》









戻る   Point(2)