世界と時間に対する一つのアプローチ/朧月夜
 
こに大小限りない数の物質が集まることで、それぞれに精神的な何かを形作っていくもの、という考え方をすることが出来るのです。もちろん、これは世界というものを理解するための一つのアプローチにすぎません。原子や分子は心のようなもの、は持っていないかもしれませんし、私たちが自分たちの心だと感じ取っているものも、実際は錯覚や思いこみにすぎないかもしれないのです。ですが、世界にはこのように無数の原点(裸の特異点)があり、世界のあらゆる場所がその広がりでもあり中心でもある、と考えるとき、私自身に関して言えば、世界がこのようにまぶしすぎる物のように見えることも、納得がいきます。人間という、高等なのか下等なのか分からない生き物だけでなく、一匹の虫、一枚の花弁すら、心、あるいはそれに似たものを持っていて、それぞれがその世界の中心である、そう思えば、世界がこのようにまぶしさに満ちていることは道理であるように思えます。言い換えれば、世界というのは、そのあらゆる部分で何らかの心を持っていて、あらゆる部分で中心でもあり、そうでなくもある、そういうことなのではないでしょうか。
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