未詩・ちいさな弔意/橘あまね
 
ちいさく溝を掘って
きのうまで咲いていた黄色い花を埋葬する

名前を考えているうちに
いつのまにか旅立ってしまった
知らないうちに
抜け殻みたいに影だけが残った
通り抜けていったものは
空に上がっていったのか
地層の奥へ沈んだのか
どっちなのか

いや、どちらでもないのか

ともかく抜け殻を土に埋めた
褪せて萎んで軽い切れ端を埋めた
葬ったつもり
見送ったつもりで

ほんとうはいつもと変わらない景色に
新しい色を増やしたかったから
ただ埋めてしまいたかった
いなくなってほしかった
古い亡骸だなんて呼ばれる前に

夜中には雨がくるから
墓標もない
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