長い夢に落ちて/余韻
 
長い夢に落ちて 浮かび上がった地図は
ただの思い上がりだった 苦し紛れのなんとやらで
死に物狂いの人でも死ぬわけじゃない
そりゃなかには死んでしまう人もいるのだろうけど

赤く黒く滲んだ傷跡ばかり見ていた
この気持ちを この想いを
何て呼んだらいいのか 分からぬまま 今も書いている

これもまだ夢なのか 残るはずのない足跡ばかり気にしてさ
旅のような 恥のような 崖を這う蟻 見様見真似で
そうさ そのまま このまま 思いもよらぬところまで
消えちまいたい

人間として生き抜いてはみたもののたかが知れてる毎日で
日毎の寂しさも厳しさも孤独とやらには到底およばず
開閉式ならいいのにな 心ってものもさ
それなら悲しみだって時間差でやって来ることなんてないのに

被害者のような加害者のような 無関係の私が
残せるはずもない そうだ私は崖を這う蟻なのだ
勝敗も優劣もない ただただただ 無へと無へと

これもまだ夢なんだ 長い長い夢なんだ

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