Jean et Jean/墨晶
 

「ぼくの耳は、海のざわめきを愛する貝殻だ(Mon oreille est un coquillage qui aime le bruit de la mer)・・」
 若いジャンは起き上がる。
「え? ・・ジャン?」
 若いジャンは老いたジャンの横顔を見つめ、思う。
(耳が・・・アサリ? いや、待て、まさか・・ムール貝か・・?)
「・・・ジャン? ・・・・ジャン!」
 老いたジャンは水色のパッケージから両切りの煙草を抜き、燐寸(マッチ)で火を点ける。

 空を舞う?たち。
 崩れる波。

          Fin.
 
 
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