口ずさむ/水宮うみ
一度しか鳴ることのない音楽を一度だけの私達が聴いた。
正しさなんて知らないからそよ風みたいになんにも言えない帰り。
とうめいなストローをとおっていった 好きって遠目には透き通ってた。
ぼくの目がぼくの世界を変えていく 目に映らない目が此処にいる。
言葉にしてもいい事を知るたびに世界の解像度が上がってった。
かつて歩いていたひとりの居ることが分かる涙に滲んだ光。
数や字や音や形や動きやらのなんやかんやが、なんか楽しい。
どこまでも 床屋でも この言の葉も いつでもどこか孤独があった。
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