ロザリーはスクラップ工場の外れで/ホロウ・シカエルボク
はどこにも居なかった
彼女はそこに居る誰にも
必要な人間ではなかったのだ
命は選り分けられる
似たような場面で
誰かが覚えていてくれたものだって少なからず居る
見えるべき目も
息をする鼻も
話し、食べるための口も
すべて
もう使い物にならなくなったのに
見えて
聞こえて
話したいことばかりある
死とは必ずこういうものなのだろうか?
腹を減らした無数のカラスの
けたたましい羽音が聞こえる
骨になってしまえばすべては終わるのだろうか
戻る 編 削 Point(7)