ロザリーはスクラップ工場の外れで/ホロウ・シカエルボク
 
はどこにも居なかった
彼女はそこに居る誰にも
必要な人間ではなかったのだ
命は選り分けられる
似たような場面で
誰かが覚えていてくれたものだって少なからず居る


見えるべき目も
息をする鼻も
話し、食べるための口も
すべて
もう使い物にならなくなったのに
見えて
聞こえて
話したいことばかりある
死とは必ずこういうものなのだろうか?


腹を減らした無数のカラスの
けたたましい羽音が聞こえる



骨になってしまえばすべては終わるのだろうか


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