2011年の詩から/ナンモナイデス
眺めていると
白い壺を眺めていると
話し声が見えるのです
右側に君がいて
左側に僕がいる
白い壺を廻してみると
虹が聞こえるのです
左に瞳を近づけると青く鳴り
右に瞳を遠ざけると赤く鳴る
壺が黒くなりました
何か匂ってきました
誰かが壺に花をいっぱい活けたのです
壺は花の影にすっぽり隠れて終いました
でも花なんて数日も経てば
しおれてしまうものです
そうすれば壺は
また白さを取り戻すのです
そしてまた誰かが同じ様に
この白い壺を眺める事でしょう
私のように
オオゲツヒメを食った奴は誰だ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)