青い鳥のように/塔野夏子
えかねて手を離せば
またきこえてくる君の声
青い鳥のように歌う君の声
その声の中を舞う花鳥風月
無感覚の壁は
誰が築いたのだろう
自分が あるいは世界が
世界の中の自分の中の世界
自分の中の世界の中の自分
自分はここに居ていいの
壁をこえる
それとも
壁を壊さなくてはいけないの
(バビロンまでは何マイル
アヴァロンまでは何マイル)
ノイズ ノイズ ノイズ
の 記憶の中に埋もれてゆく感覚たち
が たえず壁際に降りつもり
君の声がきこえる
青い鳥のように歌う君の声がきこえる
その声の中を巡る森羅万象
この耳はその歌を
きくことを許されているの
誰に問いかければいいの
君はどこに居るの
わからない
けれど
君の声がきこえる
青い鳥のように歌う君の声がきこえる
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