青い鳥のように/塔野夏子
無感覚の壁がある
その壁をとおれない感覚が
たえず壁際に降りつもる
無感覚の壁は
何を守っているのだろう
世界から自分を
自分から世界を
あるいは
自分から自分を
君の声がきこえる
青い鳥のように歌う君の声がきこえる
それは無感覚の壁をこえてくるの
それとも
無感覚の壁にどこかすきまがあるの
たえず壁際に降りつもる感覚は
壁のむこう それとも こちら
自分がいるのは
壁の外 それとも 内
壁に手をふれれば
とたんに
身体に流れ込んでくるノイズ ノイズ ノイズ
(バビロンまでは何マイル
アヴァロンまでは何マイル)
耐えか
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