詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
いた折、ちょうどこの同じ比較を用いましたところ、聴衆の一人から、非常に注目すべき一つの引用を示され、それによって私はこの考えが別に事新しいものではないことを知りました。少なくともそれは、ただ私にとってだけしか新しいものではなかったのです。/その引用というのはこうです。これはラカン〔割注:一五八九─一六七〇。田園詩を得意とし、一六〇五年よりマレルブに師事、師についての記録を残す〕がシャブラン〔割注:一五九五─一六七四。当時の文壇に勢力があったが、詩人としてはボワロー等に冷笑されたので有名である〕へ送った手紙の抜萃で、この手紙を見るとマレルブ〔割注:一五五五─一六二八。古典主義詩の立法者といわれる抒情
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)