詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 


 チャールズ・ジョンソンの『映画商売』という作品が『Sudden Fiction』に入っていて、それなりにおもしろかったのだけれど、最後のページに、「論理学では必要にして充分とかというのだろうが」(小川高義訳)というところが出てきて、びっくり。高校の数学で出てくる「論理と証明」で、「必要」と「十分」という言葉を習ったと思うのだけれども、「十分」であって、「充分」ではないし、それにそもそも、「十分」と「充分」では意味が異なるのに、この翻訳者には、高校程度の数学の知識もないらしい。翻訳を読む読者にとって、とても不幸なことに思う。

 きょうは、お昼に、ジュンク堂に行った。コンプリートにコレク
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