詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
真に写っていた。当時の女性たちの顔は、どうしてあんなに平べったいのだろう。ならした土のように平らだ。鼻が小さくて低い。いまの女性たちの鼻よりも小さくて低いのだ。食べ物が違うからだろうか。そういえば、祖父は軍人で戦死したので、天皇陛下から賞状をいただいていた。まあ、戦争のことは、おいておこう。いまのところ、ぼくの生活にはほとんど影響がない。むかしの戦争では、一般市民が食べ物に困るようなことがあったらしい。それに資料によると、戦地では兵士たちがたくさん餓死したという。考えられないことだ。そんな状況なんて。現代の戦争では、兵士はべつに戦地に赴く必要はない。遠隔操作で闘っているからである。戦地では、ロボッ
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