詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
だけの存在ではないものを言葉だけで存在せしめるのが文学における技芸であり、それを表現という。
二〇一五年九月二十七日 「さいごの長篇詩について」
きょうから、『アガサ・クリスティ自伝』上下巻を読む。今朝から読んでいる。上流階級の御嬢さんだったのだね。ぼくん家にも、お手伝いさんがいたのだけれど、クリスティー家には、ばあやのほかに料理人や使用人もいたのだった。ぼくは親に愛されなかったけれど、クリスティーの親は愛情があったみたい。ぼくは、ぼくのほんとのおばあちゃん子だった。うえの弟の乳母の名前はあーちゃんだった。したの弟の乳母は、ぼくは、中島のおばあちゃんと呼んでいた。親もそう呼ん
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