詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
・クローデルの『ブロデックの報告書』にする。ひさびさに純文学である。絶滅収容所でユダヤ人の裏切り者だったユダヤ人の物語らしい。徹底的に暗い設定である。まあ、ダン・シモンズの『殺戮のチェスゲーム』もえげつなかったけれど、あれはファンンタジーだからねぇ。お風呂に入るまえに、先に読んでいるのだけれど、ユダヤ人を裏切ったというのじゃなくて、ドイツ人に犬のように扱われたから犬として過ごしたということらしい。名誉を重んじたユダヤ人は処刑されたらしい。絶滅収容所、なんちゅうところやろか。20世紀の話である。


二〇一五年九月二十四日 「さいきん流行ってること」


 さいきん言葉を飼うのが流行って
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