詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 



二〇一五年九月十八日 「正常位と後背位」


 正常位にしろ、後背位にしろ、どちらにしたって、みっともない。だからこそ、おもしろいのだろうけど。


二〇一五年九月十九日 「動物園」


 彼女と動物園に行った。彼女を檻のなかに放り込んだ。檻のなかは彼女たちでいっぱいだった。


二〇一五年九月二十日 「栞」


 聖書、イメージ・シンボル事典、ギリシア・ラテン引用語辭典、ビジュアル・ディクショナリーをのけて、府民広報のチラシにはさんでおいた彼女を取り出した。栞にしようと思って、重たい本の下に敷いていたのだった。ぺらぺらになった彼女は、栞のように薄くなってい
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