空気管デッサン/あらい
 
口笛を吹きながら でも いくつ 数えたやら。
ただ、らくにいきたい

足元の泥を掻き、道標を示して、僕と飼い犬は何処までも反転する。
星と海が緩やかに準える視野ばかりが満天に開けている。
麗らかなネモフィラのうたにたしなめられて、不意に我に返るが、
浮遊した躰は宙にのたうつだけ、違和感だけが肥大する、
自分の姿すらうつす値打ちもない、厳粛な朔は虫の音すら殺し
私はわたしのままであったかどうか、探すこともやめてしまう

限りなく間延びしたブルーグラスは素肌のまま、その魅をひらつかせた。
ラピスラズリの瞳、甘えたがりの黒豹の毛色を撫でつつ、
ときに引きはがされていくのです。

[次のページ]
戻る   Point(1)