願い/
ひだかたけし
海はいっそう青くなり
白い皮膚を浮き立たせる
歌う女の眼差しが
いつしか濡れてどよめいて
開ける銀河の流れ出す
此岸と彼岸の境界で
眩暈しながら佇立する
手繋ぎ只居たかった
手繋ぎ只見たかった
願う女の眼差しに
海はすっかり凪いでいる
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