詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
しを待っていたのは
思いもかけぬ、むごたらしい運命であった。

多くの兄弟姉妹たちとともに
首を切り落とされ
ともに大鍋のなかで煮られて
油まみれの棺桶の中に
横に並べられ
重ねられ

されど
幸いなるかな、小さき者たちよ。
祈れば、たちまち
わしらは、光の中に投げ出されるのだ。

されど、覚悟せよ。
ふたたび火にかけられ
煮られることを。


二〇一五年七月十三日 「コアラのうんち。」


とってもかわいい コアラちゃん
のんびりびりびり コアラちゃん
ユーカリの お枝にとまって
ぶ〜らぶらん ぶ〜らぶらん

とってもかわいい コアラちゃん
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