詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
ら
てをのばし
くしをとり
髪をすきあう
二〇一五年七月三十一日 「さんたんたる彼処(あそこ)。」
へんなオジンが俺を見つめてる。 リルケ
(なあんて、うそ、うそ、うそだぴょ〜ん。)
村野四郎先生、ごめんなちゃい。
ズボンのまえに手をかけられ
ジッパーを下ろされた
ポルノ映画館のなかの
うすぐらい後部座席
こいつは いったいなんなんだ
見知らぬオジンが寄ってきて
さわりまくり いじりまくって
シコシコシコシコやってくれる この現実
しまいには ブリーフも下ろされて
歯のない口で フェラチオされて
うっ でっ でるっ
なんにも知らない俺の連れが
やっと トイレから戻ってきた
オジンがひょいと席をかわった
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