さいはて/星染
があったね ここは現実だと言って仰向けになって泣いていたその瞳のなかで、それでもみた夢が、青く発光していたこと 魔法も、小説になるようなストーリーも要らなかった その光と、フィクションがあればわたしたちは、ふたつ並んだ凡庸な薄汚い星のままで、美しく死ねるのだ 嘔吐するように文芸をしている どんなように生きていても、手繰った淵の最果てでみるものはすべて同じなのかもしれなかった そうですか あなたが教えてくれたものはすべて、あなたでなくてもよかったのかな そうですか 生きていても楽しくない あなたがいないならば 違いますか
逃げるように恋をしよう、ためしに触れて、弾かれたらそこでおしまいにしよう 溢れかえる数えきれないほどの言葉はすべて、唇でふさいでしまって
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