詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
ベールに言われた言葉だけれど、フロベールはビュフォンの言葉を引いたみたいだ。ということは、ぼくがここにその言葉を引くと、ひ孫引きということになるのかな。違うかな?


二〇一五年六月五日 「ナボコフ」


 きのう、ナボコフを読んでみたいという知り合いに、『ロリータ』と『青白い炎』をプレゼントした。『ロリータ』は大久保康雄訳の新潮文庫本、『青白い炎』は古いほうの文庫版。たしか、ちくま文庫だったかな。どっちのほうをより好いてくれるか、わからないけれど、どちちも傑作だった。ちょっとまえに買った『文学講義』は最悪だったけれど。ぼくの本棚には、『ロリータ』はまだ2冊ある。カヴァー違い、翻訳者違
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