詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日/田中宏輔
ることはなかった。死ぬまで父親と同居していた弟は、ほんとうに可哀想だ。自己否定せざるを得ず発狂までしたのだ。理解力のない親を持って否定された芸術家はたくさんいると思う。子どもの才能を否定する親など見捨てればいいのだ。ぼくが見捨てたように。弟には、好きな詩とか絵を、ふたたびはじめてほしいと思う。頭のねじがどこかおかしい弟なので、すばらしいものを書くと思う。
二〇一五年六月十三日 「愛はただの夢にすぎない。」
「愛はただの夢にすぎない。」(スティーヴン・キング『呪われた町』下巻・第三章・第十四章・30、永井 淳訳、276ページ)ただの夢だから、何度も訪れるのだろう。オブセッションの
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