私の存在しない世界なんて/こたきひろし
 
自分の存在しない世界なんて何の意味も持たない
そう思えてしまうから人は誰でも死を怖がるんだろう

若かったあの頃のある時期
私は自分でも怖いくらい この世界が終わる事を怖れない自分を所有していた
それは何の事はない
私は生きる事に絶望していたのだ

絶望的な環境 境遇に縛れてしまうと
人はよほどの強靭な精神力に培われていない限り希望の二文字から見放されてしまうものだ
生きる希望をなくしてしまうものだ

しあわせとはそれぞれの人格に育てられた幸福感と呼ばれるあやふやな物差しから割り出されるものだ
反対に不幸とは明確な形を持って人を際限なく蝕むのである

その大半は外部か
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