五人五色/道草次郎
「少女」
珈琲カップはひびが入ってるし
Tシャツだって毛羽立ち過ぎ
お肌はまいにち荒れ放題いやだいやだ
だからこころも
しばしばささくれ立つの
このあいだなんて
万年筆のインク切れたからって
猫虐めちゃった
知らないお婆さんが見てたけど
かまうもんか
お婆さんなんてじきに死んじゃうし
ああ、あたし
きっとお婆さんになんかならない
あたし詩人のお嫁さんになりたいな
彼の前でお皿何枚も割ったり
何も言わないでじっと黙ったりするのよ
それから
ある日気まぐれに森へ出かけていって
小さな池へ入ってしまうの
彼があたしを見つけたとき
どんな顔するかしら
い
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