至って不真面目/ただのみきや
ろう
バスに揺られて小さな鬼が行く
創表作現
赤い小鳥の根を掘って
日差しを浮かべた子供らの
耳の置き場をあきらめて
割れた祈りを光は計り
波打つ手足の縦のささやき
円らな言葉を損ねて落とす
鍵のかかった花の影
冷えた静寂のカルタには
幼なじみが破れて揺れる
喩の沸く音に足を取られて
縫われた匂いを脱がせて聞いた
鞄に降り散る顔を咥えて
反った小指に蜂は憂いで
結わえた嘘から栞は逃げる
雲を盛られて軋む目がしら
燻した月に爪を隠して
柘榴の上の羅針の小言
水の竈にペンの歯ぎしり
《2021年2月13日》
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