詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
ナ、キューバ荘)
二〇一五年五月九日 「堕落」
客はまばら。数えてみると、15、6人ほどしかいないポルノ映画館の床を、小便のようなものが伝い流れていた。こぼしたジュース類じゃなかった。コーヒー缶から零れ落ちたものでもなかった。しっかり小便の臭いがしてたもの。映画を見ながら、ジジイが漏らしたものなのだろう。しかし、こういった事物・事象の観察が楽しい。人生において、人間がいかに堕落することができるのか知ることは、ただ興味深いというだけではなく、自分が生きていく上で貴重な知見を得ることに等しいのだから。
二〇一五年五月十日 「詩のアイデア」
──年、──が死んだ
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