詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
のは、べつの点からであるのだろう。たとえば、詩の構造を通して、言語とはなにかということを模索することなどである。いろいろな詩があっていい。翻訳はしんどいけど、うまく訳せたなってときの喜びは大きくって、とくにウィリアムズの詩は、自然観察に優れた才のあるひとだから、訳してると、ほんとうに勉強になる。まさしく「事物を離れて観念はない」などと思う。

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To a Dog Injured in the Street

William Carlos Williams

It is myself,
not the poor beast lying there

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