この場所で/385
 
雲の切れ端から白い光
ランダムに差し込んで
手持ちぶさたの傘照らす
陽はもう長い午後五時

買い物客の自転車に
ぶつかりそうになるのを
よけながら歩くよ
高架下フルーツ百番前

君の友達なんだから
生きててもいいんだって
泣きそうだったあの日
季節も景色も違ったのに

川向こうのビルの街
半年後には見れないとか
数年先の未来像
でたらめに結びあって

気づけば薄暗闇の中
炊き出し灯り照らす仄か
肌寒い夏の終わり
笑って砂払った痛み

抜け落ちてた記憶の切れ端
つかんで立ち止まって
束の間懐かしんで
つないで紡ぎ直して

君の街すこやかで
君の大切が元気で
君の夢いまも輝いて
君の今が笑ってるから

僕だって力いっぱい
笑いかえせるのさ
今この場所で
白い光に照らされて
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