エデン〈小噺〉、他/道草次郎
 
 宇宙の広さはこのように認識に伴ってその大きさを変えてきた。認識こそが宇宙なのであって、その逆ではない。これを認識主義的宇宙という。ところで、この宇宙ではいかなる者も宇宙に飛び出そうとは思わない。宇宙が小さくて困ることなど土台無いからである。認識はせいぜいエデンの園どまり。今のところ宇宙は、じつを言うとエデンの園の面積しか有したことがないのである。

 認識はサイズの母、これが認識主義的宇宙の帰結である。そして、ちょっとした秘密と言ったのには別の意味もある。認識主義的宇宙における宇宙の大きさは認識により制限を受けるが、イマジネーションにおいてはその限りではないのだ。つまり、ここまで記してきた
[次のページ]
戻る   Point(2)