風理、他/道草次郎
「回答」
そうです
叫ぶ草原がまだある地球なのですから
火星のように
抽象的な花は咲かないのです
そうなのです
「絶句」
ああ…
なにも見えない
そして
舌が走っていく
残されたものに
幸いあれ
と言い残して
「空のかんさつ」
春、空は単調
夏、空は膨張
秋、空は長調
冬、空は緊張
新年、空は新調
空には
意外に愉快なところがある
「陳腐」
無限の宇宙のどこかで
無限のわたしと
無限のあなたが
話をしている
これはもう奇跡を通りこして
陳腐の領域に入っていると思う
だってほら
みんな平気な顔をしている
「万華鏡」
万華鏡で
覗いてみてごらん
却ってふざけた
ふうに見えるから
風に
吹かれてみてごらん
まずまず汗も
乾くはず
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