詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
う、ないねん。」
「じゃあ、ほかの意味でもいいけど
 いつもの意味に近い意味のものにしてね。」
「あいよ。
 じゃ
 ちょっと、いつもの意味と違う意味のものを。」
ぼくの意味は、渡されたおしぼりの意味で、手の意味をふいた。
「きょうの意味を書いておいたから
 そのなかから好きな意味を選んでよ。」
ぼくの意味は、品書きの意味の黒板の意味を見た。
「うううん。
 右の意味から2番目の意味のものがいいかな。」
「あいよ。
 右の意味から2番目の意味ね。」
「それより、はやく、意味ちょうだい。」
「あいよ。
 お待ちぃ。」
ぼくの意味は
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