輝飛/
木立 悟
空は青く
冷たく痛く
腕を飛び去る
朝のまなじり
切るように
音は音の手を振り上げる
手の甲を踏み
空へと至る
光の響きは絶えることなく
かすかに腕を震わせつづける
離れゆくものばかりがあざやかに
ひらいた腕のかたちを見下ろし
かがやきはかがやきの高みを駆る
滴の足跡
花は追い
手のひらに重なる手のひらに
唇紋をひとつ咲かせてゆく
駆けるものの輪
残るものの輪が
静かに空を揺らしつづける
戻る
編
削
Point
(1)