輝飛/木立 悟
 



空は青く
冷たく痛く
腕を飛び去る


朝のまなじり
切るように
音は音の手を振り上げる


手の甲を踏み
空へと至る
光の響きは絶えることなく
かすかに腕を震わせつづける


離れゆくものばかりがあざやかに
ひらいた腕のかたちを見下ろし
かがやきはかがやきの高みを駆る


滴の足跡
花は追い
手のひらに重なる手のひらに
唇紋をひとつ咲かせてゆく


駆けるものの輪
残るものの輪が
静かに空を揺らしつづける








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