幻視くらげ2 夢我/ひだかたけし
 
夜は虚ろなくらげ模様
太古の姿に後退し
触手で宇宙と交歓する
共感したり反感したり
寄り添ったり離れたり
形象渦巻く意識の中を
ふわふわふわふわ渡ってゆく

(表象意識は鈍くなり
わたしがわたしを失って
個我の意識を欠いたまま
暗い地平に揺蕩って)

深い深い眠りの底
今宵私はくらげ模様
不定形な体を流動させ
快と不快の波動のなか
聖なる宇宙と交歓する













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