詩的認識ロンのために2/ひだかたけし
の縛りを解き
人は宇宙の一部となる
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日がな一日
謎は謎として取り残され
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺れ動き
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感に満ちた憧れを
持て余しては日が暮れて
今日も真っ白な一日が
無表情に過ぎていく
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鮮やかな轍を残しつつ
決して姿を現さぬもの
底に沈んだ泥団を
清められた手で掬い上げ
透過する心の底
遥か彼方の源頭に
耳鳴り繁く接続する
見えないものと見えるもの
貫き生きる思考体
意識の渦を抜け出して
未知未来から到来する
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