一つの生を、一つの詩を/
ひだかたけし
一つの生をたずさえて
一つの詩をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く
)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ
ああ また風が吹いている
灰白色の空の彼方から
次から次に吹いて来る
あの大きな風、透明な風に
僕は生かされていくのだろう
僕は奪われていくのだろう
僕は晒されていくのだろう
一つの生をたずさえて
一つの詩をたずさえて
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