美女と野獣/
二宮和樹
病だれの貴様の苦渋に満ちた顔を
幾分かの罵りと叫び声の木霊する彼方へ押し付け
やんごとなき事情に濡れそぼったフリをする
破れかぶれな心情と堪らない愛撫の誘惑に負け
しどろもどろな自分をカノジョに塗りたくる
束の間の平安が訪れ
闇の中で泣いている
しらばっくれるんじゃない
お前という奴は
そんな所で泣き濡れて
もう、およしなさい
ゴチた感情を振り撒くのは
夜ももう明ける
いつまでも明けぬ想いに浸るんじゃない
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