詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
なざしで
世界が変わるなんてことがあるのだろうか。

たったひとさわりで
世界が変わるなんてことがあるのだろうか。

あるんだよ。
あったんだよ。
きみのキッスで、世界が一変したんだ。

あるんだよ。
あったんだよ。
きみのウィンクひとつで、世界が一変したんだ。

あるんだよ。
あったんだよ。
きみのひとふれで、世界が一変したんだ。


二〇一五年三月三十一日 「ぼくの道では」


泥まみれの
ひしゃげた紙箱が
一つの太陽を昇らせ
一つの太陽を沈ませる。


ヴァリアント


泥まみれの
ひしゃげた紙箱が
かわいた

泥まみれの
ひしゃげた紙箱が
一つの太陽を昇らせ
一つの太陽を沈ませたのだ。


ヴァリアント


泥まみれの
ひしゃげた紙箱が
いくつもの太陽を昇らせ
いくつもの太陽を沈ませる。

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